|椙尾神社の裏山に棲む化け物(ムジナ)を退治した犬
山形県鶴岡市馬町
山形県鶴岡市の椙尾神社参道石段を登っていくと犬の像があります。
めっけ犬伝説
昔むかし、椙尾神社の裏山に化け物がおりました。毎年お祭りの日には、美しい娘を人身御供として差し上げなければ田畑を荒らすので、不作に苦しまねばなりませんでした。
ある年、大山を通りかかった一人の六部(修験者)がこのことを聞いて、お祭りの夜、人が居なくなってから一人椙尾神社の天井に隠れて見ていると、二人の大入
道が現れ、舌をなめずりながら「丹波の国のめっけ犬にこのことを聞かせるな」と繰り返しながら娘を二つにし、頭の方を東の坊、足の方を西の坊が持って「ま
た来年の今日お目にかかろう」といいながら暗闇の中に姿をけしました。
これを見ていた六部は、丹波の国へ行き、「めっけ犬」を探し出し、大山に帰ってきました。
お祭りの日、六部は娘の代わり「めっけ犬」をかごに乗せ、いつもの通りお宮に供えました。
やがて夜中になって現れた二つの大入道は、かごの戸を開け娘を出そうとすると「めっけ犬」は一声高くほえ化け物にとびかかり、とうとう化け物をかみ殺しましたが、自分も血に染まって倒れてしまいました。
以来、化け物を退治しためっけ犬は椙尾神社のお前立となり、毎年この伝説をなぞらえて人身御供をかたどった「仮女房」と「犬ひき」を交えた行列が町を練り歩き、犬祭りというようになりました。
めっけ犬の像
大山犬祭は、庄内三大まつりの一つで、その昔、椙尾神社の裏山に棲む化け物(ムジナ)を退治した「めっけ犬」に由来する祭です。
大山祭りは椙尾神社の例大祭として、300年以上もの昔から続いています。
椙尾神社
住所:山形県鶴岡市馬町字宮ノ腰169
アクセス:JR羽越本線羽前大山駅から北へ25分