訪れたのは秋の鳥海山。
9月中旬秋田県側の鉾立登山口からスタート。
人気の高い象潟口は、小滝集落からのびる鳥海ブルーラインの五合目・鉾立の登山口です。
登頂までの象潟口ルートを紹介します。
鉾立登山口→賽ノ河原→御浜小屋→七五三掛→千蛇谷コース→御室→新山
下山は
七高山→外輪山コース→七五三掛→御浜小屋→賽ノ河原→鉾立登山口
所時間は休憩を含んで9時間。
登山口から鉾立展望台まで約15分登ると、雄大な眺めが広がり、対岸に稲倉岳、足もとに深く切れ落ちた奈曽渓谷、その奥に蟻ノ戸渡を越して新山の頂上が眺望できます。
また、鉾立山荘脇には鳥海山展望台からの眺める鳥海山が素晴らしい。
奈曽渓谷側の断崖に沿って山道を進むと、石段や石敷の道となり、湿原が広がり清水が流れる六合目・賽ノ河原に出ます。
ここは雪渓が遅くまで残るところです。
七合目には御浜神社と山小屋、トイレもあり、吹浦からのコースと合流します。
南側の足元にはまんまるの水湖、鳥海湖です。
噴火で出来た火口湖に雪どけ水や雨水がたたえています。
ここ一帯は、ニッコウキスゲの群生地でもあるそうです。
御浜から火山礫の道をたどると扇子森、その先の御田ヶ原にいたり、石段の続く道をさらに登ると八合目の八丁坂。
続いて小池のある御苗代にでると、まもなく七五三掛(旧分岐点)、少し進むと千蛇谷の入口です。
右に道は外輪をたどって七高山にいたる、外輪山コース、左は千蛇谷コースと山頂へはどちらからでも行けます。
登頂へは千蛇谷コースを行きます。
巻道を慎重に下り、斜面を横切り雪渓が残る九合目・千蛇谷に下ります。
落石やスリップに注意しましょう。
千蛇谷から対岸の荒神ヶ岳側に渡り、石段の急坂を登ります。
いただきをめざし、さらに登っていくとチョウカイアザミ。
鳥海山の固有種です。
鳥海山でしか見られないアザミは下を向いて咲くのが特徴だそうです。
花の咲く時期は7月~8月ころです。
イワギキョウもひっそりと咲いていました。
うしろの岩からもわかるように、岩の裂け目やガレ場によく生えています。
これも見ごろは7月~8月ころです。
ジグザクと登り終えると、鳥海山大物忌神社御本社が建つ十合目の頂上御室に到着!
登り始めてから4時間。
ここで、ひとまず水分補給を済ませてから新山へ登ります。
山頂直下に建っている、大物忌神社は1,400年の歴史があるそうです。
噴火は神の怒りとされ、そのたび朝廷により神社への奉納が行われたといわれています。
ここから山頂まではおよそ20分、標高差は80mです。
頭上には岩峰・新山ドームがそびえています。
荷物を置いて、神社の左側からペンキ印にしたがって巨岩を注意深く登っていきます。
大切通しをくぐり、ガレ場の道を一歩一歩、気をつけながら登ります。
険しい岩場の先にある山頂まで、もう少しです。
山頂は狭く、4~5名ほどのスペースです。
ここからの眺めは素晴らしく、360度の大パノラマが楽しめます。
東北の山々や眼下の日本海に浮かぶ飛島、海岸線に沿って広がる仁賀保や庄内の平野が望める絶景です。
午前10時15分、2,236m鳥海山新山へ到着です!
休憩をふくめ、5時間ほどで登りました。
新山は、およそ200年前の噴火の際に火口から出た溶岩が固まって出来た溶岩ドーム。
山頂から下り、七高山側の目印を下ると胎内くぐりができます。
人がやっと通れる狭い岩場です。
ここから、足元に注意して下り、七高山の道に出て、右への道を大物忌神社へもどります。
ここは足場が悪いので、濃霧時は滑らないよう注意が必要です。
大物忌神社から七高山へと向かいます。
火口壁の急斜面(クサリあり)を登って、一等三角点がある七高山へ。
急斜面を登り終えると、七高山と伏拝岳分岐にでます。
ここから、七高山まで5分ほどです。
標高2,229mの七高山。
新山と変わらず眺めも素晴らしいものがあります。
左側の外輪道を行者岳、伏拝岳、文殊岳を経て千蛇谷入口の分岐に戻ります。
外輪山反対側に見える山道が千蛇谷コースです。
外輪山コースは眺めも良く人気が高いコースです。
所々に足場の悪い地点もありますので慎重に下りましょう。
初級者や強風や濃霧のときは往路を引き返した方がよいと思います。
コース全体を通して見晴らしが良く眺望を満喫できるメジャーコースです。
登山道は良く整備され道幅も広く、歩を進めるにつれ背には水平線まで見渡せる日本海、前方には鳥海山最高峰の新山や七高山、それらを取り巻く外輪山などが織り成す絶景が楽しめます。
鳥海鉾立ビジターセンター
鉾立登山口
秋田県にかほ市象潟町小滝字鉾立